きみしらのミックスをちょこっと語ってみる。
PV「君の知らない物語 NRTDRV version」で使っている編集済み音源ですが、ミックス面でも地味に手をかけてたりするので、NRTDRVと直接の関係はないものの、ちょこっと語ってみようと思い至りました。
ボーカル処理
音量平均化
まず、コンプは使わずに手作業で大まかに音量を平均化。-6dBぐらい頭に余裕を持たせて、大きすぎるところを小さく、小さすぎるところを大きくしていきます。
こんなふうにハサミを入れて、このブロックひとつずつ調整。つまり、それほど厳密ではなく、波形をざっと眺めて大きな音量変化のある部分にハサミを入れつつ上げ下げしていくような感じです。上の画像は後半の静かになるところを抜けてから大サビまでの波形ですが、ハサミ入れたのは30箇所程度ですね。全体でも100箇所弱ぐらいだと思います。
リミッター
次にリミッターで頭を潰します。「どうせ潰すなら平均化の意味ないじゃん」という声も聞こえますが、平均化しておいたほうがリミッターかけた時のパキパキ感を軽減できる(と思う)んですよね。
EQ
ボーカルパートのEQはこんな感じ。ローからローミッドのカット、そしてハイ上げですね。
空間系エフェクト
遅めのディレイをうすーく掛けて、さらにリバーブもかけます。リバーブ成分のEQも大切で、ローとハイをがっつり切って中域のみにしています。
オケ処理
マルチバンドコンプ
何はなくともマルチバンドコンプ!これ大事!
オケに関しては特に今回はあえてパラアウトせずにX1実機のステレオ出力を使う意図があるので、ドラムを強調するためにマルチバンドコンプで適切な帯域を持ち上げて、芯のある音を目指しました。EQだけでやると輪郭がハッキリしなくてボコッとしちゃうので、まず強調したいところだけマルチバンドコンプを使ってムチッと持ち上げます。
EQ
で、EQ。低域に関してはマルチバンドコンプで持ち上げたところよりも広い範囲をちょっとだけ上げて、中低域に関しては250Hzあたりのモコモコしやすいところをちょい下げ。高域はボーカルパートよりも控えめではあれど、やはり持ち上げています。
空間系エフェクト
あと、リバーブはボーカルとは別系統のものを用意して、リバーブ成分はボーカルよりも更に低域をなくした感じにしました(そのかわり、高域は少し残しぎみ)。言わずもがな、キックやベースにまでリバーブが掛かってしまうのを避けるための処理ですね。普段ならパートごとに調整するだけの作業ですが、今回は2ミックス(というかX1実機のステレオ出力)全体に対する処理なので、このように対処しています。
そんなこんなで
地味なひと手間をかけることで、FM音源とボーカルの自然な溶け込み具合を実現している…というお話でした。
とはいえ、ミックスはまだまだ勉強中の身で、まだまだ思うようにはいきませんが…。